複雑な家庭環境をもち、蝶の収集に没頭している少年(信太且久)が、精神病棟から抜け出してきた蠱惑的な少女(東てる美)に惹き寄せられてしまう。女の魔性に翻弄される少年の顛末を描いている、日活ロマンポルノ。
本作の東てる美は、真の愛情を渇望するあまり、相手の男を情死へと導いてしまう、魔性の女として登場。魔性の恐ろしさを熟知する収集家仲間の中年男(古川義範)と、魔性に惑わされる童貞の主人公を対比させる手法が取られている。
学生の役柄を任されてきたバイプレーヤーの信太且久が、当たり役となる童貞少年を熱演。大人の性事情に片脚を突っ込み、「女とは何ぞや?」という問い掛けに煩悶する。フィジカルかつエモーショナルな芝居が、とにかく素晴らしい。
「女神≒悪魔」「女神≒母親」「恋狂い≒精神疾患」という、女性の「性」に関連する、いくつもの方程式が組み込まれている作品。両乳首に蝶を乗せて、性衝動を蝶に媒介させるプレイが笑いどころ。