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CURE キュアのくまねこのレビュー・感想・評価

CURE キュア(1997年製作の映画)
3.4
「CURE キュア」(1997年)黒沢清監督作をBS松竹東急で初視聴。主演は役所広司、萩原聖人、2人とも驚くほど若い。

記憶障害を抱えた青年、間宮(萩原聖人)が
会話した者は知らぬうちに催眠暗示をかけられ次々と猟奇殺人を犯していく。連続する事件を捜査していくうちに徐々に暗示にかかっていく高部刑事役の役所広司は若くてカッコよい。

黒沢清監督の映画って、怖いというよりはむしろ不穏なカットの連続で厭な感じ(褒めてます)瞬間的に差し込まれるカットは何か言いたげでとても気になる(檻に入った猿のカットは何度もあり不穏…)

中盤、精神科の医者曰く「高部さん、働き過ぎは決して良い事ではありません。奥さんよりあなたの方が病気に見えます」図星だよ…
直前に急に思い立って帰宅した瞬間にみた奥さんのあの姿って象徴的でしょ。

精神科医役のうじきつよしの演技が結構上手い。ギタリスト、ミュージシャン、カルトQ司会者としての彼しか知らなかったので少し驚く。(ジック、演技も上手い)

派出所署員役のでんでん、取り調べ室でのあのX型の行動も味わい深い。

諏訪太朗さんは昔から風貌が変わってないのね。女医とのシーンにて、床にこぼれる水を描写するだけなのに不穏さを演出できるって監督の才能かもしれない…。

(参考メモ)
メスメリアンとは、18世紀、オーストリアの医学者メスマーは、催眠術による暗示療法を考案した。 その思想を受け継いだメスメリアンが、明治日本にいたという。 その名は伯楽陶二郎。 彼とその一派は、催眠術を独自に発展させたが、時の権力に邪教と見なされ弾圧される。
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