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ファーゴのNMのネタバレレビュー・内容・結末

ファーゴ(1996年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

姑のいびりや金銭的ストレスに日々さらされるビジネスマンや、犯罪しかできることがないチンピラたちと、全く違う世界にいる警察署長の対比が残酷だった。
署長の人生とて完璧ではないが、ストレスではなく自分が与えられている幸せのほうをしっかり見つめ噛み締めて暮らしていて、生きるのが上手。
それらについて細かい掘り下げはないが、私にはわからないわ、とさくっと切り捨てるだけのところがかえって印象的だった。
彼らの違いは一体なんなのか。社会にはどうしてこんな差が生まれてしまうのか。殺人などストーリーやグロさよりもそれが悲しい作品。
ジェリーも始めは小さな思いつきだったのかもしれない。それが段々と現実味を帯びてきてある日実行に移し、自分のミスの尻拭いを続けるうち雪だるま状態となり、予想だにしない大ごとになってしまった。
しかし署長なら、仮にそんな思いつきをしてもそれ以上発展させず消し去ることができたのだろう。ほんの小さな道の踏み外しをするかどうかで結果に大きな差が出る。
事実がもとである作品なので説得力を感じた。
いかに日々の小さな黒い思いを潰して生きられるかが人生の鍵。それを放置することの危険性。

もう一つ気になったのが、マイクの存在。わざわざ旧い友達を呼び出して近づいてみたり店内で泣き崩れたりする。マージはそれがショックから来るものかと思ったがそうではなく、彼女の理解の範疇を超えるものだった。
彼とて、そこまで絶望するほどの人生とは思えないが、藁にも縋る思いで突飛な行動をとっている。
彼のような人をミネソタ・ナイスと言うとか。ミネソタは人付き合いの良い土地柄だそうで本来はそれだけの意味だが、転じて外面だけ良くて中身はむしろねじれた思いを抱え込んでいる人のことを指すこともあるらしい。
マージは優れた観察眼を持っていたが彼の嘘は見抜けなかった。彼女が知らない種類の嘘。
マイクも、「私にはわからない」の中に含まれていると思う。

これをもとにしたドラマ作品があると知ったのでそちらも観てみたい。


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雪の積もるノースダコタ州ファーゴへ、隣の州からやってきたジェリー。
チンピラ二人とダイナーで待ち合わせていた。
平凡で気の弱そうな男に見えるが、なにやら金が要るので誘拐をでっち上げる計画のようだ。

依頼したのは小悪党のカールと粗雑で短気なゲア。
ジェリーは車の営業をしており、整備工の男を介してこの二人を紹介してもらったのだった。

姑はその車販売店の社長。
金持ちでジェリーのことをビジネスマンとして見ておらず、会社でも家でもぞんざいな態度を取ってくる。
ジェリーは投資話に資金援助してもらうべく交渉していたが、逆に利益を横取りされてしまった。
苛立ちを募らせるジェリー。

チンピラたちは計画を実行、ジェリーの妻が一人で家にいるところへ侵入。
妻をさらった。
ジェリーは帰宅し荒れた家の様子を見て、姑に連絡。

チンピラたちが妻を乗せた車を走らせる。
その途中警官に車を検査されそうになり、ゲアがとっさに銃を撃ってしまった。
その現場を他の通行者に目撃され、彼らも射殺。

寝ているマージ署長宅に電話が入る。
彼女は妊娠中だが起き上がりまだ暗い早朝現場へ向かう。
現場にはひっくり返った車、雪の上の大きな足跡、そして殺された警官が途中までメモしていたカーナンバー。

警察を呼ぼうとする姑を、ジェリーが必死に止める。
やがてカールとゲアは雪の積もる山小屋へと着いた。

仕事中のジェリーのもとにカールから電話が入り、計画中に殺人が怒ってしまったことを知る。

マージは、チンピラたちと整備工の繋がりをつかみ、更にカーナンバーを辿ってジェリーのもとへ。
最近なくなった車はないかと尋ねたが、ジェリーは白を切った。

身代金受け渡し日。
現場に表れたのはジェリーではなく姑だった。
その強硬な態度に苛立ったカールは銃を向け、鞄を奪って走り去る。
後から現場を見に来たジェリーは遺体を発見し、仕方なくトランクに入れて帰宅。

再びマージがジェリーのもとに。
社長に会わせて欲しいと言う。
追い詰められたジェリーはそのまま車で逃げ出す。

カールが山小屋に戻ると、ゲアと口論になり殺された。
捜索中のマージが、山小屋に手配車が停まっているのを発見。
ゲアがまさに遺体の処理をしていたところを逮捕。
血しぶきを上げる木材粉砕機、その横にはジェリーの妻と姑の遺体。
護送中のマージは、人生にはお金より大切なものがあるのにと遠い目をする。
モーテルに隠れていたジェリーも程なく見つかり逮捕。

ベッドに入るマージ。
夫の描いた絵が3セント切手に採用予定だと知る。
3セント切手は郵便料金が値上がりしたときにみんな使うと言い、夫もそうかと納得。
二人で幸せを噛み締め、愛を語り合い、まもなく会える我が子に思いを馳せた。
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