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誰も守ってくれないのRiNのレビュー・感想・評価

誰も守ってくれない(2008年製作の映画)
2.2
幼女殺人事件を起こした未成年の容疑者の家族が、マスコミや世間の誹謗中傷にさらされるのを守る警察がいる、というお話。
なんというか日本の映画ってこう、芝居がかってて劇的じゃないと売れないんだろうなあと思いました。良くも悪くもテレビドラマ的すぎる。
一人一人のセリフは、かぶって聞き取りづらいとか自然音にかき消されるってことがほとんどなく、明確に響きます。重要なシーンでは邪魔者の姿は見えませんし、俳優の表情はいつもその場にあった正しい感情ひとつだけを取り出して表現します。善と悪と、その間の細々した感情で揺れ動く様もあまり見られず、キャラクターは一貫しています。
こういうテレビドラマとしては優秀な要素が、この映画のテーマ性を薄っぺらくドライに塗り替えてしまう。この映画のほんとうの意味での暗さは、奥に隠されてしまっていて、とても残念だなあと思いました。描けることの1/10も表現されていない感じ。だから邦画はバカにされちゃう。

でもこの映画の暗さを100%の形で表現したら、興行収入は1/10じゃ済まなかったかもなあ、とも思います。
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