RiN

マティアス&マキシムのRiNのネタバレレビュー・内容・結末

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

『赤と青』

赤と青の話。
それほど注意深く見ていなくても、二人の服が基本的にこの2色で統一されていることにはすぐに気付く。そしてそれが、おそらくふたりの気持ちの変化に呼応していることにも。

それにしてもドランは、ふられる側の気持ちを描くのが上手だ。ふる側の未熟さも際立つ。子どもっぽい距離のとり方、自分の気持ちばかり優先して逃げ出す弱さ。それに置いてけぼりにされた方の、情けないような、恥ずかしいような、穴があったら入りたいあの気持ち。胸をかきむしりたくなるようなどうしようもなさ。
映画を見終わるまでにひとつ恋を乗り越えたような気持ちになる。戸惑うような愛があっても、きっと相手を傷付けないようにしよう、ちゃんと向き合おうと、どこか反省めいた、ないはずの恋の記憶が宿る。

モントリオールは秋。もうすぐ長い冬が来る。


…とかなんとかカッコつけてみたけど、いやーめちゃくちゃ良かったです。
どうしても目で追ってしまう見慣れたはずの拗ねたような横顔、3週間も渡せなかった推薦状、ごめんね愛してるの代わりに降らせる痣へのキスの嵐。
あーもうマティアスかわいいなーもう。あれでエリートとか笑っちゃう。サラいい女すぎるし、そもそも性格が甘えた坊やなんだろうね。
ラストもめちゃくちゃいいよね…もう、めちゃくちゃいいよね…あの首の角度、ずるいだろ…。
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