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ハニーボーイのRiNのレビュー・感想・評価

ハニーボーイ(2019年製作の映画)
3.3
暗い過去持ってる人ってカッコよく見えがちだよねって気持ちをもう何年も引きずってる気がする。浅い、浅すぎる。いくらなんでも三十路を前にした大人の感想ではないし、もうちょっと自分の心に肉薄してもいい気がする。

言ってしまえば、鼻につく。そう、鼻につくだ。
過去に何があろうと主人公はいい大人で、それを言い訳にするには歳を取りすぎている。ティーンエイジャーじゃないんだから、いつまでも自分の情けなさを親のせいにするなよ、の気持ちが拭えないのだ。
歳だけ取ってしまって、中身がちっとも大人になれない。わたしもよく口にしてしまうし、そんなことで自分を許そうとするタイミングはとてもよくある。だけど逆を言えば、しっかり歳は取ってるのだ。帰らない時間をこれだけ消費してここまできていて、その事実からは逃れようもない。大人になれないんじゃなくて、大人にならなくてもよかっただけだ。

大人にならなきゃどうしようもないタイミングがこない限り、たぶん人間は大人にならないんだと思う。シャイア・ラブーフの場合は、それが犯罪とアルコール依存症だったというお話。
エモーショナルはひとりよがり、自分のためだけの楽園だから。
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