マヒロ

情熱なき犯罪のマヒロのレビュー・感想・評価

情熱なき犯罪(1934年製作の映画)
3.0
傲慢な弁護士のリーは、恋人がいながらケイティという女性と浮気をしており、現恋人のマーゴと縁を切ろうと策を巡らせていた。姑息な手段でマーゴを遠ざけようとするリーだったが、話のもつれから揉み合いになり、手に持っていた銃が暴発してしまう……というお話。

オープニングで流れる映像がかなり良くて、血や割れたガラスなどの不穏な映像のモンタージュに、魔女のような不気味な女性が浮かび上がる前衛的なもので、罪を犯した者に対する業を描いたかのようなメッセージを含んだ悪夢的なデザインが格好良い。
ただ、本編は気になるところも多く、70分という短めの尺ながら軸となる事件が起きるまでにやたらと時間をかけており、なかなか話が進まないことにヤキモキさせられる。
中盤以降やっと展開したと思ったら今度は妙にササっと処理されてそのまま終わってしまい、全体的にバランスが悪い気がした。起承転結じゃなくて起承結で終わってしまったみたいな消化不良感がある。
どんどんドツボにハマってろくでもない事態に転がっていくというラストの展開は良いし、もっと時間をかけて事件後の主人公リーの心境とかを丁寧に描いてくれたら良かったかなぁ。

(2023.140)
マヒロ

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