「カッコーの巣の上で」「ショーシャンクの空に」は苦手だけど、本作はとても好き。
物語の展開は両作と重なる。でも、表現されているフィーリングが全然違う。
まったく甘くなければ、偽善的なところもない。
むさ苦しい男だけの世界。生々しく荒涼とした空気が充満。うだるような暑さ、苛烈な労働。汗と汚れまみれの衣服や身体。
各場面や展開の意味や意図を、必要以上に説明しようしない構成。
強大な権力。理不尽と横暴がまかり通る世界。一矢報いようとしたって、せいぜいメガネを叩き落とすまで。
そうしたなかであっても、結果がどうなるかではなく、人はどう生きるべきなのかという、万人にとって普遍的な問いかけがある映画だと思う。