バウンティハンター(賞金稼ぎ)の話なんですが、ジャンルとしてはバディ・ロードものでして、この類の作品では俺の中では不動の殿堂入りに位置する、最強の作品なんです。
ちなみに主演のデ・ニーロ自身、長いキャリアの中で一番好きな映画だと、公言しております。
監督のマーチン・ブレストは前作の「ビバリーヒルズ・コップ」では大味な楽曲が安手のMTVのようなカッティングのアクション・シーンにバカバカと陳列される、如何にも80年代のバブリーな”音楽映画”だったが、ハロルド・フォルダーメイヤーのエッジを効かせたスコアが、この映画を(コメディ映画でありながら)ソリッドなルックに装わせたと思うんです。
ジョルジオ・モロダーの弟子で、まだ映画音楽家としての実績の無かったフォルダーメイヤーを起用したマーチン・ブレストの選択は、その頃まだ駆け出しのダニー・エルフマンを、ロバート・デ・ニーロ主演のビッグバジェットの作品に起用した点で、彼の音楽のセンスが本物だったことを証明したと思います。
ミニマムでジャジーな旋律が、絶妙なセッションのように場面のトーンに寄り添うように絡み続き、そしてここぞというアクション・シーンでは、oingo Boingoが8人編成だった頃を彷彿とさせる、ホーンセクションを全面に押し出したカタルシス全開のド派手なスコアが、観る者のテンションをアゲアゲにしてくれる。
…と、まぁ、これ以上ないくらいの、かゆい所に手の届くスコアが全編を貫いておるのです。
ラストクレジットには、oingo Boingoの楽曲「Try To Belive」が、かかるのですが、なんとボーカル(エルフマン)を抜いた伴奏のみを使っているのです。この選択が全編の統一感を品良く保つべく、寄与していることに気づかされます。