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メアリー&マックスのFARGOのレビュー・感想・評価

メアリー&マックス(2009年製作の映画)
4.5
【オーストラリアに住む少女とニューヨークに住む中年男の20年に渡る文通を通じ、心をかよわせていく様子を描くクレイアニメーション】

フォロワーさんのベストムービー一覧でチラチラと目にする作品。
Filmarksでの評価も高かったので期待に胸を膨らませながらレンタル&鑑賞👍

【孤独と孤独】

なんだこれーーーー
思わず完成度の高さに身震いしました…
欠点が無い…無理矢理ケチを付けるのならば、欠点が無い事が欠点と言いたくなる程の一本。
久々にこの手の作品で唸らされました😎

メアリーはオーストラリアに住む8歳の女の子。父は趣味に没頭し、彼女に興味は無い。母はアルコール依存症で両親から愛情を受けずに過ごしていた。
マックスはニューヨークに住む40代の中年男。6歳の時に母が自殺して以来1人で暮らしてきた為、友達が1人も出来ずおまけに自閉症を患っている。
そんな2人がひょんな事から文通を始める事で物語は始まります。

もう、この構造を聞くだけで泣けできちゃうんですけど…笑

今作に登場する人物はお世辞にも可愛いとは言えない粘土で作られた独特な雰囲気を醸し出すキャラクター達です。しかし、粘土で構成されていることを感じさせない程の情緒豊かな表情などや動き(瞬きや唇の動き)が愛らしい!😆
また、劇中の演出。特に2人の住む世界の色の違いや、ブラックジョーク、小道具、音楽など、あらゆる要素がしっかり考えられているなあーと思いました。

音楽で言うと、Penguin Cafe Orchestraの「Perpetuum Mobile」が最高に良い味を出してるんですよ!!
軽やかなピアノのリズムに、弦楽器の流れる様なメロディが、空虚な日々を送る登場人物達が徐々に日常への悦びを見つけていく様子を見事なまでに表現していたと思います🎶

額のアザ、アスペルガー症候群、アル中、両脚がない、広場恐怖症、吃音など、登場人物たちのほとんどが何らかの問題を抱えています。でも、だからこそ劇中劇登場する「他人を愛するにはまず自分自身を愛せ」とか「人間は誰もが不完全な生き物」といった台詞がグサグサと胸に突き刺さるのだと思います😭

最後、マックスがソファに寄りかかり"天井"を見上げながら息を引き取っていたシーン。星の数を数える時には感じることの出来ない喜びと幸せに包まれ、手元の"表情の本"を使う事なく、初めて自然と笑顔が出たのではないでしょうか?
私の思い込みかもしれませんが、同時に彼の頬には涙が流れた様な跡が見えた気がしました😯

主人公達の声をあてたトニ・コレット&フィリップ・シーモア・ホフマンは言わずもがな、メアリーの幼少期を担当したベタニー・ホイットモアの、声だけで何処と無く孤独と好奇心を感じさせる力には驚かされます…😭

【親類は選べないが、友は選べる】

心から万人にオススメしたい一本となりました!!
出会えた事に感謝感謝です👏👏
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