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グリーンブックのFARGOのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.4
【人種差別が色濃く残る1960年代のアメリカ南部を舞台に、黒人ジャズピアニストとイタリア系白人運転手の2人が旅を続けるなかで友情を深めていく姿を、実話をもとに描いた作品】

第91回アカデミー作品賞受賞🎉㊗️
一昨年の『ムーンライト』、昨年の『シェイプ・オブ・ウォーター』とは一味も二味も違う作風の映画の受賞で、個人的に最も楽しみにしていた作品❗️
昨日地元の映画館でウォッチして参りました🙇‍♂️

【男の友情物語】

一つのジャンルとして確立し、星の数ほど類似作品がある《ロードムービー》
私も大好きなジャンルで、映画を通じ主人公達と一緒に心の旅路を歩む事ができる。
「起承転結」という言葉がある様に、作品自体の構成は至ってシンプルで、

● A地点からB地点への移動
● 移動中に起こるアクシデント
● 長い旅路を経て、得る友情や繋がり

の3点。
これらの特性を上手く取り込む事が出来ないと、物語自体がグダグダとなり前進するのではなく、むしろ後退していて観ていてイラつく作品も実は多い。

しかし今作『グリーン・ブック』は全編を通して完璧な構成をしていて、カルシウムを含んだ骨太な一本🙃
物語が進むにつれて作品が持つメッセージが強く伝わり、非常に強い推進力も持つ映画だと感じました❗️

監督がコメディ畑出身ともあり、随所である笑いのポイントは秀逸👏
シリアスになり過ぎない、素晴らしいポジショニングだったと感じます❗️

特に唸らされたのは2人の距離が縮まる様子の描き方。
ピアニストのドンは、ナイトクラブで用心棒として活躍していたトニーを運転手として雇う。
しかし、黒人への差別が色濃く残る1962年のアメリカ。トニーからの暴力を懸念する一方、ガサツな態度に一定の距離を保とうとする。
この時、後部座席右側に乗っていたドンがしれっと運転席の後ろ側である後部座席左側に腰をずらす(教養のあるドンなら、運転席の後ろ側が事故にあった時一番死亡率が低い事を知っての事でしょう)。
しかし、長旅を共にする中、徐々に彼に心を許していく。ツアー終盤にかけて彼の座る位置が変化している点で2人の距離の縮まり方を見て取れました😊

運転手のトニーは言わずもがな、ドンの素晴らしい演奏に心を奪われ尊敬の念を持つようになる。

ここからは私の見解になりますが、このトニーが純アメリカ人ではなく、イタリア系出身の人物であった為に差別に対する意識が”ある意味”薄かったのかな〜と感じました🙃
黒人が使ったコップはすぐに捨てる。
黒人に対する考え方は「周りの皆がしてるからと自分も同じ様に…」とその土地の習慣に合わせた生き方をしていると感じました。
本当に差別をしている人間なら、お金に困っているとは言え、黒人の下では働かないのでは❓

旅先で起こる事件や2人の会話、手紙のやり取りなどは良いとこばかり🙋‍♂️
レビューでは書ききれない良さが溢れていました😊

最後の最後まで温もりに溢れる作品
価値観が違いすぎる2人の旅は、尊敬や信頼、友情が暖かさと優しさに包まれて描かれている。
お互いの良さに気づけた時、人種ではなく、人として手を取り合い前に進む事が出来ると教えられた様な気がします🙃
作品賞も頷ける傑作ロードムービー📽

【寂しい時は自分から】

誰だって孤独を感じる時はある。
誰かが寄ってくるのを待つのではなく、自分から歩み寄ればきっと良い未来が待っている

近年ショーレースで受賞している作品の中では圧倒的に万人向けで観やすい一本
是非映画館で、2人の友情に泣いてきて下さい❗️おススメです❗️
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