雨丘もびり

世界最速のインディアンの雨丘もびりのレビュー・感想・評価

世界最速のインディアン(2005年製作の映画)
2.0
ニュージーランド在住のバートは、自慢の改造バイクでスピードレースに出場する夢に燃える67歳のじいさん。
少ない年金と老衰に悩まされながら、仲間たちの協力で地球の反対側アメリカに渡り、トライアルに出場を果たす。
持ち前の人懐っこさと不屈の精神で人々を魅了し続ける男一代ロードムービー(棒読み)。

【知人に勧められたので鑑賞】
おじいが渡米するまでは面白かった(^^)
ちょっと賢い男の子と、ちゃんとお見通しなお母さんが素敵~。
うちの包丁あんなされたら、彼を削ぎ落とすけどな、刃こぼれ悪いままで。

それ以降、

困ったことがおきる
↓ ↑
親切な人が通りかかり、助けてくれる

.....の繰り返しが延々2時間。コントかと思ったw。
しんみりした音楽に乗せておじいが信念を語れば、みんな情にほだされて力を貸してくれる。
へぇー、アメリカ人って便利なのね(-_-)。

おそらく取材の段階で、バートさん本人から「オレってラッキーだよなぁ」という話しか聞き出せていないのではないか。
彼の心地良い思い出話だけに感化された監督が、そっくりそのまま映画にしちゃったような印象を受ける。

実際にワールドレコード叩き出した男なんでしょ?
それだけなはず、無いじゃん。

もしかしたら、制作側に「走り屋界隈の粋なとこ見してやンぜぇベラんめィ!」という思惑があったのかも。
昭和の下町を使った美談みたいな、いい話を作りたくて躍起になってる印象。
そういう気概は嫌いじゃないけど、でもドラマがワンパターンすぎ。
大味なフォレストガンプというか.....んー、こういうの趣味じゃない(*_*)。

【ラッキーな展開に胸焼け】
皆、そんなに人生を肯定したいのか。
強く想えば成功すると信じたいのか。
横暴さを嗜め、挫けた人を労る心配りも、人情の厚みなのにな。

実話ベースならなおのこと、成功したバート本人の思い出話だけでなく、周囲の人たちの客観的な視点まで盛り込んで、映画にしてほしかった。
監督が信じたい姿に矮小化されたバートさん像に、人間的な魅力(多面性や意外性)を正直あまり感じませんでした。

プロデューサが連名で5人もいる不思議。
耳が遠い設定、終盤は忘れられてた(^^;)