むっしゅたいやき

ロゼッタのむっしゅたいやきのレビュー・感想・評価

ロゼッタ(1999年製作の映画)
4.3
貧困の辛さ。

『涙と共にパンを…』、では無いですが、貧困の真情は本人でなければ中々分からない。
真に困窮すれば、私とてこの主人公の様に密告してしまうかも知れない。
先の見えない困窮は長く続く分、下手な拷問よりも良心を黙らせるものです。
ただ、ロゼッタを起こしたリケ、目を見詰めるロゼッタに希望を見出すことが出来る、良いラストでした。

この監督は、風景映像や劇伴に拠らずに登場人物の心情を描写するのが抜群に上手い。
鮮やかな色彩を抑え、煤けざらついた色調のレンズを使うことで社会問題が与える世間や人物達の心情の荒廃が表現されています。
他の作品も追ってみようと思います。
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