むっしゅたいやき

送られなかった手紙のむっしゅたいやきのレビュー・感想・評価

送られなかった手紙(1959年製作の映画)
3.8
鑑賞記録。

ミハイル・カラトーゾフ。

ソビエト連邦、中央シベリアのダイヤモンド鉱床発見、其の発見者達の労苦を賞賛する、やや政治色の強い作品である。

『怒りのキューバ』や、『鶴は飛んでゆく』と云った作品同様、連邦内へのプロパガンダの意味合いが強い作品であり、本作の物語に就いて私が言える事は多くは無い。

但しカメラワークに関しては、流石の一言に尽き、タイガの林床や湿地を抜けてゆくドリーショットや、アンドレイとターチャが歓喜と共に走り抜ける疾走感溢れるショット、クライテリオン版のジャケットとも為っているシルエットで登場人物の感情を表すロングショット、フレームに人物を捉えておき乍ら、更に手前に他の人物のアップを割り込ませるショット等、カラトーゾフらしい斬新な手法には感心させられた。

個人的に映画作品には、表現方法は別として作り手の思想・主張を込めるべきであろうと思うし、其れが作品のマチエールとも成ろうと思う。
私の受け方の問題やも知れぬが、カラトーゾフの作品には然う云った“監督固有の色”が見当たらず、個人的に食い足りない。
スコアはこの点に拠り、減点している。
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