むっしゅたいやき

レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会うのむっしゅたいやきのレビュー・感想・評価

4.0
アキ・カウリスマキ。
『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』の続編となる作品である。
前作同様、カウリスマキらしい雄大且つ郷愁を誘う景色を背景に、シュールなユーモアを散りばめたロードムービーとなる。

一体に、続編と云う物は前作に比して格落ちとなる事が多い様に思われる。
前作のベースを使用する事で、物語構成の幅が狭まるのは致し方無い事とは言え、殊にカウリスマキの作品は、シュールさが売りの為、あざとさやくどさが鼻に付く。
マグリットの絵画も、目新しさは有れども何れ飽きが来る─、と云うアレである。
本作にしても同様で、メキシコ部の嘆きや前半部に就いては前作の焼き直しの感が否めず食傷気味となる。

─然う思いつつも鑑賞していたのであるが…、ジョンソン=預言者エリア=「ギニギニワッチ」の弾けっ振りにやられてしまった。
映像作品で大笑いしたのは、久方振りである。
ワンシーン、或いはワンカットで評価をガラリと変えられる─、此れが映画と云う物が持つ力なのであろう。
笑わせられてしまっては、降参するより外有るまい。
前作同様、マッティ・ペロンパー演ずるウラジミール=モーゼの、顔芸と身の退き方も秀逸である。

良い鑑賞となった故、評価をしておく。
むっしゅたいやき

むっしゅたいやき