人里はなれておだやかに暮らす老夫婦。妻がアルツハイマーになり施設へ、互いの関係が変化していく。
監督はサラ・ポーリーで初監督作。次作の『Take This Waltz』を先にみたけれど、関係と感情の揺らぎが独特な後味になるのは通じる。原作のアリス・マンロー『クマが山を越えてきた』はより直裁な印象でした。
この映画は二人の関係や感情、過去を軸にしているけれど、アルツハイマーに関しては、ウェンディ・ミッチェル『今日のわたしは、だれ?』が、58歳で若年性アルツハイマーと診断された当人の手記で、症状の理解が深まる。映画としては、この本でもふれられている『アリスのままで』がある。