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グランド・ホテルのameoのレビュー・感想・評価

グランド・ホテル(1932年製作の映画)
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ベルリンにある巨大な高級ホテル。円形の吹き抜けが美しく、連日宿泊客でにぎわっていて出入りもはげしい。医者、実業家、速記者、男爵、バレリーナ、余命短い会計士など、素性の異なる人々がたまたま居合わせた数日間の出来事。

古い映画だけれど、次々と事が起こり連関するのでテンポがよいし、ストーリーは思いのほか悲劇的で引きつけられる。セットも凝っていて吹き抜けを見下ろすシーンなど印象に残った。

主要人物はスターたちが演じていて、とくに惹かれたのがジョンとライオネルのバリモア兄弟。当時の名声がうかがえる演技であるとともに、その後の人生を暗示させるような陰りのある役柄で、ジョンは前年に主演した『悪魔スヴェンガリ』でも狂気や影を放っていて、この兄弟の他の作品にもますます興味がわいた。

小説『Menschen im Hotel』(Vicki Baum, 1929)を基にした舞台がヒットし、これをオールスターで映画化。これまた大ヒットし、オスカー最優秀作品賞を受賞。群像劇の一つの型として後の映画にも引き継がれる。
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