ゆん

平凡ポンチのゆんのレビュー・感想・評価

平凡ポンチ(2008年製作の映画)
3.6
もともとジョージ朝倉のカラオケバカ一代という漫画で氏が『殺しの烙印』フリークであることが頭にあったので、別作品とはいえ映画化を担うのが佐藤佐吉監督と知り妙に納得というか、佐藤佐吉と鈴木清順の親和性について思いを馳せてしまった。

廃業寸前の映画監督のもとに謎の美少女が押し掛け、自分を主役にロードムービーを撮るよう指示する。しかし彼女は旅の途中で殺人は犯すわ、発言は支離滅裂で嘘だらけだわと振り回され、映画は完成するのか?という、いかにも映画好きのボンクラが好みそうなストーリー。
原作者のこじらせや天の邪鬼を感じる意味不明さ、それを忠実に再現していたことに感動。
ただただ、オシリーナ可愛いなぁみたいな感想を持たせる単調さと、ラストの「これが映画だ!」というやや空回りした、伝わりにくいメッセージ性も良い。
欠点ばかりだが愛せる映画とはこういうものを言うんだろう。『カメラを止めるな!』なんかよりこっちを観よう。
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