ゆん

犬猿のゆんのレビュー・感想・評価

犬猿(2017年製作の映画)
2.0
兄弟同士が犬猿の仲という『人が人を嫌うこと』をテーマにした作品ですが、ヒリヒリしたどん底の憎悪とかではなく、結局人と人とは分かりあえる部分があるよね、だって血の通った兄弟だもの、みたいなぬるいヒューマニズムを説く作品でした。

個人的に兄弟仲が悪いというのは特別なことではなく、人間同士がいがみ合う事に特別な理由などないと思っています。
理由をつけることで修復可能性を示唆し、希望を持たせるストーリーではあるのですが、ラストの仲がよかった幼少期の回想は鳥肌もの。そんなもん、子供の頃から仲が悪いに決まってるでしょ。今日だって私、新生児を笑いながらボコボコ殴る姉らしき幼稚園児を目撃しましたよ。微笑ましいじゃないですか。

地味なサラリーマンの窪田正孝が実は人を見下すような考え方をしていたり、真面目で快活な性格のニッチェ姉が実はストーカー気質だったり等...地味な嫌さを描くのは丁寧だったのに、大味な感動展開に打ち消され、全てが浅はかに感じられたのが残念。
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