PANDADA

乱のPANDADAのレビュー・感想・評価

(1985年製作の映画)
4.0
原作はウィリアム・シェークスピアの「リア王」。

巻狩りのあとの祝宴中に居眠りをした戦国大名一文字秀虎は、悪夢をみて目覚める。そして、それを機に家督を長男太郎に譲り、領土を三人の息子に分けようとし、「三本の矢」を用いたたとえ話をきかせるが、三男の三郎はその陳腐な説教に反発する。「やがて血で血を洗う諍いになるだろう」という三郎を勘当した秀虎は、太郎に譲り渡した一の城に身を寄せるが、、、的なお話。

正直、黒澤明監督作品は苦手でした。
「七人の侍」も「羅生門」も古過ぎて、音割れが酷くセリフがほとんど聞き取れなかったのが一番の要因です。

比較的新しい本作はそのような音割れもなく、リマスターされた映像も美麗でした。

カラー作品の特色を活かした色使いが実に鮮やかで、それぞれの登場人物に合わせた配色設定が実に見事。

加えて、戦さの美しくも凄惨なシーンには度胆を抜かれます。

ストーリーは圧巻ですね。
「リア王」を完全見事に戦国時代劇に仕上げてます。
かなり長い作品なのですが、流れるようなストーリーの展開で時間を気にすることもなく、一気に観れました。

豪華キャストによる名演はさすがで、特に仲代達也の怪演と、原田美枝子の妖演は凄まじいです。

ただ、個人的にはピーターだけが浮いて観えてしまったのは配役によるものなのか、演技によるものなのか。

様々な賞を獲ったのも納得の名作。
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