ビターチョコ

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊のビターチョコのレビュー・感想・評価

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)
4.5
1995年公開の映画。
監督はあの(いい意味で)捻くれ者の押井守。

ではネタバレ進行で。

■あらすじ
高度なインターネットとサイボーグが当たり前…の時代の日本が舞台。サイボーグの草薙素子は、日々、自我を疑っていた…「私の存在は実は偽者じゃないのか」と。そこにネットで発生した生命体が現れて、二人が混ざって1つになった。

「なんのこっちゃ?」
だろうが、本当にそんな映画だから「ふつうの人向き」じゃない。

この映画は、ネットがないと全く成立しない。『エイリアン』にあの怪物がいなければ成立しないのと同レベルだ。ネットが2020年現在よりはるかに発達している未来が舞台で、サイボーグの公安警察と犯罪者が戦う。

どんな犯罪者?
強盗や殺人じゃなく、政治的な犯罪者である。

作画がすごい。黄瀬、沖浦、井上がメインだ。そして当時はまだセルを使っていた。つまり透明の板に、線画を転写(カーボンコピー)して彩色していた…乾きにくい。で、この映画はそのアナログ制作の頃のアニメ。(デジタル素材じゃなく)アナログ素材をデジタル処理し始めた時代だった。
ゲームでいえば、3DCGが始まった頃。プレイステーション(無印)の発売が1994年12月…と書けば、なんとなく判るだろう、今の20代後半なら。

●余談
公開時期がWin95の頃だから驚きである。それは個人運営のWEBサイトがとても珍しかった時代で…ネット黎明期だった。画像なしの掲示板が盛んなころで、ツイッターなどのSNSや、オンライン対戦ゲームが皆無の時代だった。ぼんやりと、ニフティネット、ベッコアメを思い出す。

私が個人でWEBサイトを始めたのは1999年。その時はすでに、個人がWEBサイトを持つのが当たり前だった。貧乏学生でもPCはすぐに買えたし、だから簡単にサイト運営ができた(新品の高性能PCが30万円で揃った)。だがこの映画の公開は1995年で、あの頃、PCの進化は…数年の違いが大違いだった。今はネットを楽しんだり動画編集する程度なら、5年前のPCが問題なく使える。