ビターチョコ

ピノキオのビターチョコのレビュー・感想・評価

ピノキオ(1940年製作の映画)
4.1
1940年のカラーアニメ映画。
前半は私が好きなシーンがいっぱいだ。爺さんと猫と金魚、動きまくる仕掛け人形たち。そしてロトスコープ作画の妖精と動き出すピノキオ。翌日の悪いきつね。そして、ストロンボリ劇場の人形ショー。

このアニメ映画はカラーだ。カラーの上手くて細かい絵が、よく動くのだ。今のアニメ映画よりディテールにコダワリがあるように思った。気のせいだろうか。1940年を考慮してそう思うのかもしれないが、でも本当によく動く。特に、時計のからくり人形たちがよく動く(九分半あたりから)。

■思い出とテーマ
小学生の時、学校の体育館で観た記憶がある。ロバになるシーンが怖かった。他の人の感想を読んでいて思い出した。この映画には教育的な意味があるようだ。「社会のルールを守らないと、今は良くても、後で酷いこと」になるという教訓で、それは正しいのかもしれない。

■日本のアニメとの比較
『白蛇伝』は日本初のカラー長編アニメ映画だが、公開は1958年。東映はディズニーを目指したが、作画が遠く及ばなかった(森やすじ氏担当のところだけは素晴らしい)。

■時代背景
この『ピノキオ』は1940年公開の映画だが、太平洋戦争は1941から1945年で、アメリカと日本の「国力の差」を見せ付けられる。日本がアメリカに勝てるわけない。日本は「政府と国民全員が全力で」戦争をしていたが、アメリカは主に軍隊が動いただけで、庶民のほとんどは戦争に参加していなかったのだから。