コーカサス

名探偵ホームズ2 海底の財宝の巻のコーカサスのレビュー・感想・評価

4.0
1984年に『風の谷のナウシカ』と同時上映されたテレビシリーズの第9話。

併映だった第5話の「青い紅玉」同様、宮崎駿が監督・演出・絵コンテを担当した事で、兎に角 “動き”が細かく、中でも潜航艇作業員が食中毒にかかる場面や、警官たちを乗せた潜航艇が海に沈んでいく場面は何度見ても素晴らしい。

それもそのはず、使用されたセル画は何と8000から9000枚と云うのだから驚きである。
2人以上の群衆をいかに滑らかに動かせるか―。
アニメーションで最も難しく、手間のかかる作業は“モブシーン”であると云っても過言ではない。
まだまだ作画は手書きだった80年代に、これだけ散らばったキャラクターを同時に動かすには、猫の手はおろか“犬の手” も借りたかったことだろう。
その最大の見せ場をとくとご覧あれ。

また親愛なるフォロワーのたけちゃん様が先のレビューで述べられているように、テレビシリーズではダ・カーポが唄うエンディングのみに使用され、肝心の本編ではカットされた筆者もお気に入りの“ワインをご馳走になる場面” が、ノーカットで観る事が出来る、頭の先から尻尾のギリギリまで、秘密と魅力がばっちり詰まった傑作だ。

36 2021