『良い思い出を思い出してみる時、
人生において最良の時、あなたは一人でしたか？』
この映画は公開当時の人たちより、
今を生きる人たちにこそ見て欲しい作品。
主人公はいわゆる「解雇宣告人」
クビを言い渡す度胸のない上司に
代わって解雇宣告をする仕事。
その為、彼は一年のうち300日以上を
出張に費やすという人生を送っていた。
そんな彼のモットーは、
「バックパックの中に入りきらない
人生の持ち物は背負わない」というもの。
肉親とも距離を置き、結婚もせず、
旅先で知り合った女性と気楽な関係を続けていた。
そんな彼は、ある出来事を機に
新入社員と出張することになってしまう──
「結婚は人生の墓場」
そう考え一人で自由気ままに暮らす上司と
「彼氏のためならどこまでも」
少し生意気で若さ溢れる新入社員。
この二人の“アンバランスさ”が観ていて面白い。
互いに意見をぶつけていくうちに
正反対の二人がお互いに影響しあい成長していく。
そこが見どころ。
ちょうど今の世代と考え方が反対なんだよね。
だから今の若者は主人公に憧れるんじゃないかな。
自由気ままで楽しそうに描かれているから尚更ね。
でも主人公は途中で、自分の生き方を疑問に思う。
「自分人生、本当にこれで良いのか？」って。
そんな彼が妹の結婚式の当日、
「本当にこの人と生涯を共にしていいのか」
「結婚は人生の墓場なんじゃないのか」と悩む
妹の婚約者にかけた言葉そのものが、
この映画のテーマであり答えだと思ってます。
「結婚は君のいう通り人生の墓場かもしれない。
だから僕は結婚してないんだ。
そのおかげで僕は毎日自由に楽しんでるよ。
でも、君にとってのいい思い出を思い出す時、
人生において最良の時、君は一人だったかい？」
『人生にとって大切なものは何か』を教えてくれる
メッセージ性のある素敵な作品でした。
