冒頭の猫とのシークエンスから好印象。ゆったりと鷹揚に咥え煙草で猫と会話し続けるモジャ髪・しわシャツの男。猫がエサをねだる姿体が男とともにじっくり撮られていて思わずナゴむ。
私立探偵もののイメージ源泉映画とフォロイーさんのレビューで見て早速。
ホントにね、キザじゃないし、ルックスはモッサリしてるんだけどなぜかカッコイイ。
住んでるペントハウス(とはいえ古くて粗末)やおとなりのヒッピーギャルズとのやり取り、刑事にとぼけ倒すやり口、写真の中のふざけ顔など、さりげな〜く味のある、さりげな〜くユーモラスな表現が、今ドキから見ると奥ゆかしいくらいにも思えるけど、そのさりげなさが良い。
シリアスな物語を何気ない顔で泳ぎ回るマーロウ、その顔が熱く変化する時のインパクトにハッとする。柔と剛の共存や境目がなだらかでなかなか気が抜けない。
ヤクザの瓶パンチの唐突さとかタランティーノだった。
様々なオマージュ寄せられ箇所を見つけたりの楽しみもあるが、このマーロウって男に魅せられ行動原理を知りたくてずーっと見続けてしまう映画だった。エンディングも好き。
他の方のレビューを読んでなるほどと思いました。伏線とかいっこうに気にせずとも面白いこの映画は凄いんだなあ。
