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カルネのcocacorgiのレビュー・感想・評価

カルネ(1994年製作の映画)
3.0
ああ、やっぱり人が人の命を奪うことなんて簡単にできてしまうんだなあ…。
愛する娘に向けられる視線は健康的なものではない。彼女のことをたぶんコントロールできてしまったのが悲劇。
自分を構築する世界があまりにも狭くて、屠殺やら肉の解体やら娘のことやら、彼は常日頃から命の選択を自由にできてしまった。手の中に収まる範囲で命とゆうものがあった。
既に命の価値観が世間とズレてしまっていることに彼は気付いていない。そんな中での1つの勘違いと異常な愛の暴走、そこから生まれる悲劇がこうもあっさり描かれるとは。
そして懲りずに彼はまた肉屋になろうとしている。何も解決していないのに。そしてカノンに繋がる。だから繋がる。
短い中でもその独特なカメラワークとか効果音とか、不穏な気配とか生々しい表現とか、不安になる空気感とか危なかしい肉屋の主人のメンタルとか、もう強烈に頭に残って離れない。
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