ぴのした

ルパン三世 カリオストロの城のぴのしたのレビュー・感想・評価

3.9
この歳になってから初めてちゃんと見たシリーズ。

ルパンかっこいいなあ。宮崎駿のジブリと大きく違うのは、同じ冒険活劇ものでも主人公チームが大人らしいカッコよさを持ってるとこだよなあ。

タバコふかしてそこらへんにポイ捨てするのは今のアニメだとできなさそうだけど、やっぱこういうのにかっこよさを感じてしまう。ルパンて普段はアホみたいだけど、滅びた文字をサラッと読んじゃうし指輪の謎をお姫様救う片手間で解いちゃうみたいなスマートな格好良さもある。そんでロマンチストで「泥棒は空を飛ぶことだってできる」なんて言っちゃうんだよな。そんで知らない女の人が花嫁姿で追われてるのを見れば、なんかよく知らなくても助けちゃう。大人の冒険ってこうあるべきだよ。

こうして見ると、ルパンってルフィのような無邪気さとウソップのような愚直さをベースに、サンジのような大人びたかっこよさと紳士さがあって、ロビンのような頭の良さがあって…っていう風に1人ワンピースをしてるみたいなキャラクターだよな。

子供心に昔見たときはなんだか話がよくわからなかった覚えがあるんだけど、これかなり大人向けというか難しい設定あるよな。太閤だとか摂政だとか、滅びた古代文字だとか、独立国家だとか公国だとか、なかなか出動しないインターポールだとか、物語の語彙や背景が子供にはかなりハードル高いように思う。場所はアルプス麓の北イタリア、時は東西冷戦時代1960年代後半といったところか。場所と時代の背景も今ならなんとなくわかる。物語はアニメらしい夢物語なんだけど、設定にすごくリアリティがあってそれがとても「大人ごころ」にグッとくる仕掛けになっている。

あとBGMにジャズ風の音楽を使うってのも当時としては(今でもかも知れないけれど)すごく斬新というかオシャレだったんじゃないか。子供向けと侮られがちなアニメーションにおいて、大人のものみたいなイメージがあるジャズを持ってくるっていう斬新さというか。