円柱野郎

ロボジーの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

ロボジー(2011年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

バレそうでバレないようにするために必死になる、という事象をメインプロットにしたシチュエーションコメディ。
矢口史靖監督と言えばこの手のジャンルはお手の物だと思っていたのだけど、本作は少し物足りない。
バレないように頑張ろうとする3人、勝手に行動しだす中の人、ロボットに惚れすぎた少女、それぞれ3組が三様の事情で動くんだけども、全部に目配せしすぎたせいか、結局どれにも深く踏み込めないまま終わってしまったような感じ。
もっと全体に勢いがあればまだ良かったかもしれないけど、割とテンションは緩めのまま進行するので微妙かなあ。

断片的にはネタの面白いものもあったのだけど、正直言って纏めて見た場合は勿体ない作品になってしまったと思っている。
贅沢な役者の使い方もしているのに、どうも演技臭さが前面に出る演出で、それが「どう見ても人が入っているようにしか見えないロボットがバレない」という都合のいい世界観を助長して、嘘くさく見えてしまうんだよなあ。
もちろんそういう状況を前提にした話だというのは分かっているけど、それにしたって説得力の面で無理があるというもの。

理系人間としては、大学での講演でアイデアをかき集めてロボットの中身を設計し直すというくだりも、ハード面の言及ばかりで"高度な判断力"というソフト面での設計描写がほとんどないのが気になる…w
とは言うものの、それくらいの映画の嘘なんてのはあるもんだとは思っているけれど、でもリアリティが乏し分はそれが気にならなくなるくらいの勢いが欲しかった。
やっぱりそれに尽きる。
円柱野郎

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