浅井拓馬TakumaAsai

トランスフォーマーの浅井拓馬TakumaAsaiのネタバレレビュー・内容・結末

トランスフォーマー(2007年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

改めて見て思うのは当時としての色々なバランスの良さ、見事さ。
エイリアン侵略もの、車等が変形するスペクタクル映像を楽しめるもの、そしてその先にオートボット、ディセプティコンの各キャラクターが見える、みたいな感じで設計されているので、これによりぱっと見のルックが「新鮮な映像のしかしハリウッド大作らしい映画」に落ち着いて多くの人が触れやすい全体像になっている。
(『〜ビースト覚醒』はこの点で原作重視度が上がった印象で、簡単にいえばよりキッズムービーと捉える人は多いだろうという感触に)

キャラクターでいうとバンブルビーのラジオ等を介して人間と会話するという設定がとにかく秀逸で、本来は他のキャラクター同様戦士だしサムよりも精神年齢等絶対上でしょうという距離感を一気に打ち消し、巨大な犬や猫的な愛らしさを獲得して頼り甲斐と愛玩的なニュアンスの同居に成功
(それは車好きが車へ向ける愛情の映像化にも見える)
、クーンとかニャオンみたいに感じる鳴き声のような音もこの設定だから自然に成り立つ。
観客にとってサムを通して触れる最初の異星人交流を担うキャラクターとして、またその後は一気に人間語を話すロボットたちが現れる展開でそこに事前に慣れてもらうという意味でもこの設定の採用は偉大という他ない。
(既にディセプティコン側でバリケードがサムに英語で問いただしたりはしているが、敵が喋るのと味方と会話するのはまた意味が違う)
そして最後にはビー本人の言葉が聞けることで、あくまでサムや見ている側がそう感じただけ、というひと作品の中での着地のさせ方も見事。
(続編ではまた戻っちゃうけど、それだけ魅力的な設計だったから仕方ないよねこれは...)

オートボットの戦士が揃い踏みしこれからすごいことになるぞと思わせてのサムの家でのメガネ探しでオートボッツが頑張って身を隠したり、そういうオフビートな展開と超絶な映像がセットなのもまた新鮮で、軍隊やアクションやらのオラオラした世界観をサムと共に程よく中和しながら見ることができるのもまた楽しい。
(そういうのがあるなかで、ミカエラがビーと協力してブロウルを倒す件なんかもめっちゃいい)

そしてなんといっても映像体験としての価値という部分で、一作目でもう完璧でしょというトランスフォームショットの連続がやっぱり何より。
バンブルビーがバリケードと戦うためにトランスフォームするシーンでどれだけ衝撃を受け、メガトロンと対峙するためトランスフォームするオプティマスにどれほど興奮したことか。
各シーンのアニメートがその場面や展開に合わせた変形演出になっていてメリハリが効いているのも本当に素晴らしい。あと音!!
あとスティーヴ・ヤブロンスキーの音楽!
自分にとっては上の世代がいう「ジュラシックパークの衝撃」というものが、本作にはありました。