浅井拓馬TakumaAsai

猿の惑星:新世紀(ライジング)の浅井拓馬TakumaAsaiのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

めっちゃ面白いのはまず前提として、ただ、前作の監督ルパート・ワイアットがそれでは時間が足りないと本作から離脱したニュースが頭の片隅にありながら見たというのもあってか、面白いけどちょっと引っかかってしまうという感じがあった。

作品としては前作よりもシリアスなテンポで纏められており、人類の大半が滅亡した世界観ともマッチしてこの空間に浸っていたいという気持ちにさせられるんだけど、それ故にもう少しシーザーとコバの関係性に時間割いてほしかったという気持ちが沸いてしまう。
そもそも、結構仲良さげな序盤の関係性がなんか前作の印象から少しズレるというか、思ったより物分かりよい感じなんだなコバと思ってたら人間との邂逅で思いが爆発する、するんだけど、なんかそうだよねコバってそんな感じのニュアンスだったよね前作、なんか物語の要請に従って一旦いい子にされてたような...みたいな気持ちになるところがあり、
対するシーザーもイマイチ話し合う気がないというか寄り添う気がなくて、で我慢の限界が来たコバの言葉にシーザーもすぐに激昂してバイオレンスに走る感じがちょっと急じゃないか?と思ったり。
(ここに関しては後半エイプたちは人間より優れていると思ってた、て台詞では回収されはするんですが...がやはり、この言葉が成立するための作劇がまずあって、て感じはしてしまう)

作品全体の空気感とか辿る展開とかはすごい楽しめるんだけど核となる部分がちょっと引っかかるなという点で改めて前作の凄さを感じるものの、しかし自らもエイプのルールを破り夢を見ている時間はもう終わったのだと悟るシーザーの凄まじいリアリティを持った表情で終わる、ここからの行先は闇しかないけどという覚悟で終わるその説得力には胸打たれたのでした。
(そういえばエンドロール最後のエイプたちの声、あれコバ生きてて次も出てくるのかと思ってたな...)