浅井拓馬TakumaAsai

マーベルズの浅井拓馬TakumaAsaiのネタバレレビュー・内容・結末

マーベルズ(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

勝手に人の星に行ってシステムを破壊してという結構な話の落とし前がつかない、てっきりダー=ベンとの一旦の和解で太陽を復活させてシビアな空気も残してみたいな塩梅の終わり方をするのかと期待しそうになったらバングル2個つけて消滅してしまい、とかいくらでも転ばせそうなのにと色々、特に終盤ブレーキがかかったのは事実だけど、
でも、3人のケミストリーがめちゃくちゃに最高で、
特に三者それぞれの微妙な立ち位置からどういうコミュニケーションを築くのかという点がとにかく素晴らしい。全員前のめりで回り道はせずにぐいぐい会話を積み重ねていき、その先でキャロルの弱さや言えなかった事柄がポロッと溢れていく。そしてそれをハグするカマラ。言うことは言うけど根底の愛は伝わるモニカ。
そうしたヒーローたちの連帯の先に入れ替わりのアクションが炸裂する。

お約束な感じではあるけど終盤ムニーバ(カマラの母)がカマラの背中を押すのとかもそうだけど、
全体にはちゃめちゃな作品ではあるけどいつ、誰が、どこで何を言うのか、みたいな点に関してはかなり筋が通ってる感じで、そこの信頼感が構築されているというのが本作の強みにして大きな魅力だなと、タイトル通り3人の活躍や魅力に関してはめちゃめちゃ楽しめる作品でした。

(分からないけど、前作からの物語的なコンティニューを描く元々あった構想と、ニア監督のキャラクターのケミストリーを描きたいという意向がそのまま合体させてかつランニングタイムはコンパクトにみたいなある種闇鍋的な感じで出来上がったのかなって感じがする)

(あとグースという支離滅裂なキャラクターが支離滅裂ゆえにひとつ事態を収束させるという展開もよかった。前作でキャロルが得た力とそれを活用してやろうとしてることはヨン・ロッグ(ジュード・ロウ)が伝えていたようにまずもってそんなこと実現できないだろうという挑戦で、そういう困難さに直面したのが本作だったと思うけど、それをひとつ解決できる手立てとしてグースという妖怪みたいなものが必要だったということが、チートにチートを重ねても問題そのものは収束しないという取り扱っている問題の大きさやクイックな解決はないという視点をあくまでこの映画に最適な形でのビジュアル表現として昇華できてて。)