くろねこヤマ子

砂の女のくろねこヤマ子のレビュー・感想・評価

砂の女(1964年製作の映画)
4.2
砂の穴の中にある家。
そこから出られなくなった
男の物語。

元から棲む女と
抜け出そうと足掻く男。
閉じ込められた二人の世界。

男の脱走を軸とした思惑の中、
2人の間に些細な変化が見られ、
その関係や心理や感情が
刻々と変わっていく様。

とても面白い。

そして男の出した答え。
そして女が得た権利。
したたかなのか、無垢なのか。

たっぷりのクローズアップで
なぞられる画面からは、
独特の空気が流れ出し
(というか流石の今日子さま)
砂の流れも美しい。

監禁逃亡作品は数あれど
またひと味違い、観て満足。

印鑑を使ったオープニングが
めちゃんこ洒落てて、良き良き。