りふこ

風と共に去りぬのりふこのレビュー・感想・評価

風と共に去りぬ(1939年製作の映画)
4.0
2014/11/11鑑賞 (DVD/吹き替え)

面白い面白くないで言ったらそりゃあ滅茶苦茶面白いですけど、すみません、文芸系映画の大作として人間を深く描いていて面白いって言うより、手間とお金を掛けた上質な昼ドラとして面白かったです。
スカーレットが大暴れする度にニヤニヤしてしまいました。
罰当たりな感想で申し訳ありません。
でも、私にはそんなに高尚な話には見えないんです。

あと、どうしても南部アメリカ的な奴隷制度の扱いの無邪気さ・無頓着さにはたじろぐものがあります!
作中年代である1860年代と同時期に制作されたのならわかりますけど、1930年代にもなって……。
とは言え、これでも原作小説から修正したそうなので、映画の制作側を責めても仕方ないのでしょうけど。

勿論、炎上するアトランタ、タラの夕焼け、贅を尽くした豪邸、華麗な衣装などの美術は、現代の作品にもまったく引けをとらないレベルで、本当に素晴らしかったです。
この辺りは今でも大作の名に恥じないクオリティですね。

しかし、スカーレットの自己中心ぶり・天上知らずの自信満々ぶりといったら物凄いものがありましたね!
現実では4親等内、同じ学校や職場には絶対居てほしくないタイプ。
遠くから噂だけ聞いていたい。
でも、その性格の悪さが彼女の生きる力に直結してるので、いいんです、彼女はあれで。
人柄として好感を持つのはメラニーですけど、あの嵐の中をがむしゃらに生き抜くのはスカーレットにしか出来なかったはずです。
あと、ヴィヴィアン・リーが美しすぎるので、女優さん補正もあるかも。

最早痛快なほどに性格の悪い女傑の半生記として、大層面白く鑑賞出来ました。
りふこ

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