あもすけ

マイ・マザーのあもすけのネタバレレビュー・内容・結末

マイ・マザー(2009年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

観ながら内臓吐くんじゃないかと思うくらい苦しくなる。憎しみと愛を行ったり来たりしない、憤りの先に見つけてしまう哀れみの感情が愛によるものと思う度に全てが嫌悪に結びつき、自己を抉る。実際的な問題は絶えず、それでも怒りをぶちまけてしまえたら、と思っても、ぶちまけているようでいていつもブレーキをかけてしまうのは、自分が耐えられないからだった。悲しまないで欲しいと思っている。傷つけてしまうのを恐れている。いつも表情が曇るのを知っていて、だから喜ぶ姿すら見たくないほどに、それが愛だなんて、と内省し続ける傍で、今日も生きている。破壊の想像で憤りを押し込めながら、一緒くたに愛憎も押し込めて、見つからない場所で冷静な言葉に変えていく。母親にとってはそれが一番堪えたんだろうか。言い合いで確認できることがあったんだろうか。独白映像を見てしまった場面に、こんなことを思っていたなんて、だけではない気持ちが感じられて、想像を巡らせながら見入ってしまった。薬で顕になったものが哀しくて微笑ましくて辛い。恋人の突き放すような言葉と、愛の言葉で、きっとまた自己に向かっていくんだろうし、その先でラストシーンの体温をどう感じていたんだろう。洗っても消えない。付き纏って離れない。時間が経てば変わるとして、それなら一番直視するのがキツい時間をまざまざと見せつけられたみたいにして、自分で掘り起こしてた。
あもすけ

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