YasujiOshiba

ドラキュラのYasujiOshibaのレビュー・感想・評価

ドラキュラ(1992年製作の映画)
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ドラキュラ映画は血を吸われる女の子勝負なんだよね。その点で、この映画はウィノネ・ライダーも悪くないけど、サディ・フロストのニンフォマニアぶりはいい。ドラキュラの花嫁モニカ・ベルッチは別格。

キアヌは存在感がないのがよい。いい男としてそこにいるだけ。美味しいところはゲイリー・オールドマンとアンソニー・ホプキンスが持って行っちゃってるけど、それでいいのよ。ドラキュラとベン・ヘルシングだもんね。その点では、トム・ウェイツの存在感は特筆もの。ちょい役なのに、あの迫力!

コッポラの演出は実に楽しそうでいいな。映画好きですって伝わってくるところに好感。時代設定も19世紀終わりで、技術としての映画が見世物として人気になっていたなんて話を、ほんとうに楽しそうに描いている。

その意味でこの『ドラキュラ』はいかがわしさ満載だけど、それは怖くてエロいものへの本気のオマージュ。

衣裳に起用された石岡瑛子なんて、たぶんそのあたりを承知のうえで、みごとなカブキっぷり。

ようするに、この作品はB級映画へのA級のオマージュなんだろうな。
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