めしいらず

アリスのめしいらずのレビュー・感想・評価

アリス(1988年製作の映画)
4.0
もはや説明不要のルイス・キャロルの原作であるけれど、繰り返し映像化される題材になったのはとても豊かで刺激的な視覚イメージを読者それぞれに喚起させるからだろう。可愛らしいお話として印象付けられている人が多そうなのはディズニー版の影響か知らん。個人的にはこの不健康で凶々しい本作の世界観の方が原作イメージに近い気がしている。不気味さと奇妙な可愛げが相半ばするキャラクター造形は、子どもの時に観ていたら絶対にトラウマになっていたと思う。あまり可愛げがないアリス像もイメージ通りで実に好もしい。主人公によるナレーションの耳心地にも原作を彷彿とさせる稚気が感じられていい。まさにシュヴァンクマイエルの真骨頂。
再鑑賞。
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