三四子

パーフェクトブルーの三四子のレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
4.5
見終わって思うのが「未麻の部屋見てるからねー!」のミスリードをモロに喰らってしまった…!みたいな感じ
その上私は令和の人間だからサイバー系の映画なのかと思って…二重三重に騙された…1個は勝手に騙されてたけど…


これは元気な時にしか見られない映画だな〜と思う。
上映してる間にもう1回くらい見たいけどちょっと見る元気ないかも〜…
前半辛すぎるし…


ストリップ中のレイプ描写より仕事で疲弊していくのにかつてのチームはどんどん仕事が成功して行ってる所の方が辛かったかも。
たぶん映画内の世界の視点で言えばいきなり「あたしは女優なの」みたいに知ったかぶりだしたり衝撃ヌードしたりとんでもないことしててもそれでも売れてたんだとは思うんだけど未麻の心では売れてるかとか売れてないかとか関係ないからそこの描写がなくて、ただ雨の中つらそうで…。
最初は一言しかもらえなくて周りの人も業界人同士で馴染んでひとりぼっちみたいだったけど最後の盛大な拍手が未麻のここまでの体当たりな頑張りとか名演を感じた。
あと業界人ほど脱ぐほど真剣にやってるって思う風潮ありそうだし、あの時代。
物語の芯からブレるからそういう演出なかったんだろうけどあのドラマの現場の人と未麻は一応ちゃんと良好な関係がありそうで良かった。

でも未麻にはその評価関係ないんだよな〜!!!!!!!ってのが辛い。


ファンは本当はアイドルの私しか求めてないんじゃないかとか私は歌うためにきたのにとかチームメンバーの2人と気持ちが別れてしまったり…


その葛藤を抑え込んで自分のために役者として生きる覚悟を決めてた未麻といつまでも幻覚を追っておかしくなったルリちゃんとの対比でもあるんだろうか。


偽の未麻はルリちゃんだけどずっと未麻に見えてるってことはまだその罪悪感とか恐怖を未麻は振り切れてなくて彼女自身もおかしくなってたんだなってのがいい。


画面の中のアニメ→未麻とルミちゃんから見える世界
鏡像→アニメの中の現実

その鏡像が割れると私たち(視聴者)にも現実が見えなくなるのいいなぁ…


↓気になったこと
・ドラマの中が現実とリンクするなら「集団レイプされた過去からトラウマが発動し姉になりきってしまう」姿ってルミちゃん?
(未麻ねぇって呼ばれてるのが考察の余地なのかなって)
あの泣きながら立ち去るシーンって自分の過去にも関わってそうかなって
単に未麻のことをすごく想ってくれてるひとなんだ…と思っただけにオチも含めてショックあり

・2人になってからのチャムでふたりが困った顔、引いた顔してたのが気になってたんだけどもしかしてルミちゃんでちゃったの?
あのシーンは願望なのと思ったんだけど、2人が困惑する姿って偽未麻ちゃんの理想じゃないよね?(2人とまた歌おうよ!とか言ってたし)
私が1番なの!いちばん売れてるの!みたいなのじゃなく「3人グループのメンバーと仲が良くてファンがいちばんの未麻ちゃん」が理想っぽいから気になった。
でもあそこですでにルミちゃんがヤバムーブしてたらなんか連絡は行くはずだし、ストーカーも喜んでニチャニチャしないよね?別人だし…


huluで見られるし古い映画だからたくさん考察ありそうなので色々昔の情報も調べたいね
面白かった〜元気な日にだけ見たい
三四子

三四子