アギゴン

死にゆく妻との旅路のアギゴンのレビュー・感想・評価

死にゆく妻との旅路(2010年製作の映画)
3.4
この作品は観る人によって、見方がだいぶ違ってくる映画だと思います。

ガンを患い手術を受けた妻を娘夫婦に預け夫は家を空けた、借金をかかえ金策に回るも、当てのない夫は数ヶ月後妻の元へ戻ってきた。就職するため、職安へ足を運ぶ毎日。借金の肩代わりをして貰った親戚からの圧力。就活は50過ぎの男にはなかなか上手くはいかなかった。
就職するまで、娘夫婦のところに妻を頼もうとした時。
しかし「もう、離れ離れになりたくない」と妻に哀願される。その日から二人の当てどもない旅が始まる。

恋が始まった、あの瞬間の感覚をずっと妻は夫に持ち続けているようで、とても可愛い少女の様な人。
退院後に娘のアパートで暮らしている間もずっと窓の外を見て、いつ来るか分からない夫を待っているシーンはまるで子供のようでした。

車で二人で旅をし始めた頃はとても楽しそうで、ユーミンの昔の曲が頭に浮かびました。ワゴンに乗って出かけようの「あてどもない旅、1度したいと思いませんか🎶」
です。陽気で気ままな曲調のような楽しい旅。でもそれはほんの始めの頃の旅生活。次第に二人の暮らしは追い詰められていきます。

このロードムービーは実話を元にした映画で、熟年夫婦ではありますが、
私は究極の「純愛」ラブストーリーの様に感じました。
過酷な生活の中でも二人で居ることを選び、小さな幸せをみつけて、日々を暮らして行く姿が上手く描かれていました。

ラストは涙がじわ〜っと出てしまいました。年代によっては考えさせられる作品だと思いました。
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