あぴぽぱん

つぐないのあぴぽぱんのレビュー・感想・評価

つぐない(2007年製作の映画)
4.8
完全にマカヴォイさん目当てで見ることに決めたのですが、メッセージ性が非常に強い作品でした。

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非現実的と超ありそうの狭間を突いてる。

一見とんでも展開な気もするけど、全然そんなことはなくて。
小さな嘘や勘違いで発した言葉の責任や重みについて考えさせられるストーリーだった。
物事の一部しか知らない人間が安易に断定発言することの脅威を感じた。恋愛関係に限らず、人と人との繋がりというものはふとしたことで壊れてしまう。今作は、その究極の終着点を見せてくれたような気がした。
ネットの情報やニュースなどで一部を切りとった編集や報道がされていると言うのはここ十数年前から言われていることではあるが、それはメディアに限ったことでは無い。
生きている上で、人とのコミュニケーションをとる私たちは、日々沢山の情報を他者に宛てて発している。悪意やその場の一時の感情で嘘を伝えることは言語道断、誤解を生んでしまう言葉の言い回しや、脚色されていく噂話をしてしまうことで自分あるいは他者を傷つける結果になるということを常に念頭におかなければならない。
SNS社会では尚更気をつけるべきことだと思う。
引き裂かれるべきでない恋仲、本来壊れるはずのなかった友情や家族関係。この映画をただの作り話だと思わず、何かを主張する際は自分の発言が悲劇を生む結果に繋がりはしないだろうか?と考えること。そして他人から聞いた話も、全て鵜呑みにせず今一度冷静に考えることそして風潮しないことを肝に銘じたいと強く思った。

また、同時に戦争の悲惨さにも触れてある。戦争による死者は色々なところで出ているということを改めて感じた。帰国命令が出てもいつまでも家に帰れない、治療を受けれない兵士たち、爆撃直下ではなく二次災害で命を落とす人たち。一体多くの命の犠牲の上になにがあるというのか。とても胸糞悪い気持ちになった。

映像としては海沿いに兵士たちが佇んでいるシーンの長回しが圧巻といったところだろうか。

奇遇にも今日はマカヴォイさん44歳のお誕生日。おめでとうございます。
あぴぽぱん

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