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道 -白磁の人-のKengoTerazonoのレビュー・感想・評価

道 -白磁の人-(2012年製作の映画)
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叙情がねぇ、、、というのが正直な感想で、あんなに感情を掻き立てられないクロスカッティングも珍しい。

結局因果応報に落ち着くところとか、再考の余地ありだと感じる。その結論でいいのか、、、。そういう道徳的な部分に落とし込めない無情さや、分かり合えなさがあるから、レッテルによって自他共に苦しめられるのではないか、、、?

なるほど浅川巧は先進的で素晴らしい人だ。彼は朝鮮人と共存する道を最期まで模索し、当時の日本人としては異例なほど、朝鮮人に好かれた珍しいお方である。なるほど日本軍は朝鮮に対して酷い行いをし、敗戦直後の暴動は当然の報いである。今までやってきたことを考えると、仕方のないことである。

ただ、それだけのことなのだ。相対化されていないために、「そうなんだ」としか言いようのない。軍人は単に「悪い人間」であり、浅川巧は「善い人間」なのだ。映画の構造としてはメロドラマ的なのだろうけれど、メロドラマなのだとしたら、叙情がねぇってなってしまう、、、。
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