三樹夫

ゾンビコップの三樹夫のレビュー・感想・評価

ゾンビコップ(1988年製作の映画)
3.6
宝石強盗発生。オープンカー転がしたいかにも80年代なご機嫌バディ刑事二人も現場に到着し、店から出てきた強盗を詰めかけた警官が鉄砲でハチの巣にするが、いくら弾をぶち込んでも強盗は死なない。上司の車で圧殺してようやく騒ぎは収まったが、もしかしてあの強盗達ゾンビじゃないかしらと、きな臭い製薬会社に乗り込んだら主人公が殺され、ゾンビとして蘇生するが、12時間もすれば身体が腐る。何とかそれまでに事件を解決したい、というのがこの映画。12時間のタイムリミットというサスペンスに、自分は死んでしまった悲しみを背負う主人公という要素があるが、とにかく人が簡単にポンポン死に、人の命がボロクズより安く、また人が死んで一言大喜利状態の軽口など、80年代のご機嫌ドライな雰囲気がウェットにはまり込んでいくのを遮る。

ターミネーターゾンビ版といったような、もう死んでいるから撃たれても平気なので、主人公がゾンビ警官ということを活かし、行く先々で殺戮が起こるのを楽しむ作り。主人公は腐敗が進み、顔の半分が反対側よりもさらに傷ついているというのがターミネーターを想起させる。ゾンビ警官完全体になってからの白眉は、お互いに至近距離でマシンガン向けあった状態で撃ち合い、弾を大量にくらいながら、ドアを閉めつつ隙間から手榴弾放り込んで爆殺という超絶カッコいいシーンだ。他にも、身体が溶けてボロボロになってくSFXも見どころである。
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