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ダンス・ウィズ・ウルブズのhiyoriのレビュー・感想・評価

ダンス・ウィズ・ウルブズ(1990年製作の映画)
3.8
第63回アカデミー賞受賞作品。南北戦争の英雄となった男が一人でフロンティアを任地として選び、インディアンと交流することになるという話。3時間という長尺を使ってインディアンのコミュニティに入り彼らの一員になるまでや、友情や恋愛が丁寧に描かれている。ダンバーは南北戦争というアメリカ国内の内戦において互いが政治の駒として戦わせられていることに居心地の悪さを感じていたことだろう。だから孤独になりたいと望んだ先にフロンティアを選んだ。そこでインディアン達と出会い、互いの生き方や暮らし方について知らないもの同士が信頼し合える関係になる。彼らは明日の自分たちの暮らしのために戦い、守りたいものを守る。何にも縛られることのない獰猛さに芯が通っているからこそダンバーは惹かれていった。生きることは他社の文化圏を共有し、また侵害することに等しい。それは白人と黒人、白人とインディアンに関わらず、人と動物などにもいえることだ。ダンバーは二つの文化圏に属することを経験したから、正義や悪、権力など存在しない、ただ生きていることを主張するだけの戦いがあることに気付いた。すべてのことに対して慈しみを持って生きるべきだとこの映画から感じた。
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