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ブラックブックのHKのレビュー・感想・評価

ブラックブック(2006年製作の映画)
4.1
ポール・ヴァーホーヴェンのこんな作品があるとは知りませんでした。
『ロボコップ』から『スターシップ・トゥルーパーズ』あたりまでの80~90年代の作品は劇場でリアルタイムに観ていたんですが。
ヴァーホーヴェンがアメリカで活躍した後に母国オランダに戻って監督したオランダ映画史上最大の製作費をかけた大作とか。

レジスタンスと言えばまずフランスが思い浮かびますが、本作は第二次大戦中ナチ占領下のオランダのレジスタンスを描いた作品。
そして、本作はTVシリーズの傑作『ゲーム・オブ・スローンズ』の魔女メリサンドルことカリス・ファン・ハウテンの出演作を探していたら辿り着いた作品です。

ハウテンがこんな大作の主人公だったとは驚き。
GOT(ゲーム・オブ・スローンズ)出演時より10歳若い30歳のときの作品です。
GOTでは冷酷さすら感じるクール・ビューティというイメージだったため、映画が始まってすぐ登場する笑顔が親しみやすいキャラと同一人物とはすぐには気づきませんでした。

ハウテンはオランダでは20代初期からの人気女優でいくつも賞も獲っているとか。
GOTでの脱ぎっぷりの良さにも目を奪われましたが既にヴァーホーヴェンの洗礼を受けていたんですね。
メリサンドルの凛とした落ち着きと貫禄とは異質の若々しさと可愛さがまるで別人のよう。

そしてこの実話ベースの歴史の暗部を見応えのあるエンタメとしても描き切ったヴァーホーヴェンの手腕もサスガ。
ハウテンの文字通り体当たりの演技も含め、長時間の大作ながら目が離せませんでした。

憎まれ役のドイツ軍将校の名前が“フランケン”というのはなんだか笑えます。
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