けーはち

バットマン リターンズのけーはちのレビュー・感想・評価

バットマン リターンズ(1992年製作の映画)
3.7
ティム・バートンのダークメルヘンなゴシックホラーの陰翳のキマったバットマン第2作。Wヴィラン(ペンギン&キャットウーマン)が主人公格で彼らの誕生〜最期の顛末を1つに纏めた話はややゴチャつくが、ダニー・デヴィートやミシェル・ファイファーら演者の魅力もあって、異形の振る舞いや哲学を語る様子は美しく、2人に翻弄されるゴッサム市民や、2人の暗躍の契機を作る悪徳事業家マックス・シュレック(クリストファー・ウォーケン)が2人より怪物のように見えるのは監督の意図だろう。バットマンはヴィランに引導を渡す主役ながらも最後まで彼らを追って翻弄される狂言回しの立場。しかし仮面舞踏会でキャットウーマンと踊り「素顔が仮面で、変身後の姿こそが本性」という異形の共感を見せる構図は冴えている。