ゴト

卵の番人のゴトのレビュー・感想・評価

卵の番人(1995年製作の映画)
3.6
うっかり落としてしまったVHSの再生確認をして、そのまま鑑賞(笑)

雪深い一軒家に暮らす老兄弟。ラジオから流れてくるニュースや音楽、食後のコーヒーに毎年飾り付けるクリスマスツリー、そしてクロスワードにトランプ。二人の日常は実に穏やかでゆったりとしている。家族とトランプで遊ぶだなんて子供でもいない限り冗談だろと思ったが反面、どこか懐かしくもあった。

現実には必ずしもそうではないのかもしれないが、本来家族には遠慮なんていらない。その自由な遠慮のなさが年老いた二人を暖かく、また愛らしくも見せ、まるで誰にも見つかってはならない妖精のようにも感じさせた。

どちらかが死を迎えるその日まで変わらずに続いていくかに見えた日常だったが、それは思いがけない人物の登場で破綻する。二人が暮らすこの家は兄弟の終の棲家ではなかったのだ。むしろ、その逆だったのかもしれない。
ゴト

ゴト