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マッドライダーのrollinのレビュー・感想・評価

マッドライダー(1983年製作の映画)
5.0
こんなんジャケットの時点で満点じゃい!!

核戦争で資源の枯渇した世界を舞台に、MADな奴らが水源を求めて戦うという独創的過ぎるアイデア!マカロニ御用達のアルメリア荒野を駆けるのは、デスレース仕様の魔改造車!他所者の主人公をエイリアンと呼ぶセンス!
すべてがオリジナリティに満ちている!これがマカロニウエスタンのたどり着いた狂気の未来だッ!!!

レンズの抜けたティアドロップを眼帯のように見せる魔ッポ。補強して前が見えなくなった主人公の車、エクスタミネーター(笑)のフロントガラスの視界をカバーする緑の潜望鏡。強肩ロックマン少年a.k.a.ターボキッドなど、他のフォロワー作品に比べても斬新な設定に加え、衣裳、改造車ともにかなり洗練されていて本気でかっけぇ。

監督はアンソニー・アスコット(英語圏ネーム)ことジュリアーノ・カルメリーオ。マカロニファンならご存知、『荒野の無頼漢』でミシンGUNを、『サルタナがやって来る』でオルGUNというマカロニ珍銃器を生み出した天才なのである!他にもこの監督の才能としてキャラ造型、群像劇の巧さというのがあって、本作はまさにそれら全てが結実したベスト版。マッドマックス2のパクリやんwと、ただ嘲笑うだけなのは勿体ない良作!

敵側のボス、クレイジー・ブルよりも存在感があってええキャラの女ブラックパンサー。殺してしまうのは惜しいくらい好キャラのパピヨン爺。工場でのドキドキアスレチック体験。
マカロニアクションのDNAが存分に発揮されるカーアクションも全然見応えがあるし、主人公の携える未来銃もとりあえず一時停止して観察するくらいにはカッコ良い。

主人公エイリアンを演じたロバート・イヌアッチは、フランコ・ネロ、ジャンニ・ガルゴの大根版で、ほぼ記号的な立ち位置と演技やけども、そのGUN光には僅かにマカロニガンマンのソレを感じ取ることが出来る。ファビオ・テスティに近い。

そしてラストはまさかのTears in Rain!
こんなんやられちゃ最高に決まっとるがな!!しゅき!!
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