るる

テンペストのるるのネタバレレビュー・内容・結末

テンペスト(2010年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

女性のプロスペローにピンとこなくて避けてたんだけど、ラ・メール、海を操る魔法使いが女、理に適ってるし、孤独でおかしくなって船を沈める父にやめてと懇願する娘の姿なんか正直もう映画で見たくないし、プロスペローことプロスペラに、追放された魔女という属性を重ねる、もうめちゃくちゃ真面目にテンペストをやってるじゃん、傑作じゃん!と。今見てよかった。

台詞回しも好き、回想を申し訳程度に挟むあたり中途半端で気持ち悪いっちゃ悪いけど、台詞に推進力がある、映画としてはともかく、耳が心地よい、弱強五歩格だった? そこまでわかんないのが悲しい、英語勉強したい。

エアリアルを呼び出すとこなんか、エアリアルだー!とテンション上がった。演出は陳腐だけど…中性的な見た目でよかった。ベン・ウィショーなの!?まじか。

白人女性vs黒人奴隷の図にしたのはサイアクだけど、まあ歴史そのままなのか、いややっぱり配慮がないだけな気がしたな、白斑病を思わせる見た目にしたあたり、迂闊というか悪手というか決定打というかな。。 まあでも黒人男性と白人男性が連れ立って白人女性に仇を為そうとする、映画の歴史を考えたら妥当な構図なのかな。。

これ2010年作なんだよな、そうなんだよ、このころってまだいろいろ鈍感な時期、わたしが好きなのは2015年以降の映画なんだ。たった5年で欧米映画界のキャスティングにおける人種的配慮の激変ぶり、すごいよな。。

エアリアル、どうせ歌うたうなら登場時もちゃんとロックミュージカルにしてやれよと思わんでもない。

娘に男を充てがう母、わざわざ試練を与える、まあそんなことせんでいいよな、魔女らしいけれど。本心を偽って娘のためを思って突き放す、それが裏目に出る…いややっぱり、そんなことしなくていいよな。

CGはともかく、ファンタジーとして独特な良さがあった。
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