幕のリア

陸軍中野学校の幕のリアのレビュー・感想・評価

陸軍中野学校(1966年製作の映画)
4.1
市川雷蔵の百面相的魅力がようやく癖になってきた。
本作では、一切の私情に背を向けた表情と訥々としたナレーションも魅力。
表の顔は英国流テイラー、キングスマンかいな。
雷様は公開時35歳。

二階堂ふみをアップグレードしたような小川真由美のハイレベルな美しさとこの頃から渋いおばさんボイスが魅力的。
可憐なファッションも見どころ。
公開時27歳。

スパイ教育は初めてだという"まごころ"を信条と嘯き熱弁を振るう加東大介の声は聞いていて気持ち良い。

岡田真澄の兄ちゃん、E・H・エリックが英国領事館のターゲット。
演技はど素人。

増村保造作品らしからぬ抑えたトーン。
訓練のバリエーションと思わぬ展開に静かに感嘆。

続編の監督は増村保造に非ず、残念。
幕のリア

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