陸軍中野学校の作品情報・感想・評価

「陸軍中野学校」に投稿された感想・評価

てぃだ

てぃだの感想・評価

3.1
 「そういえばまだ見てなかったなこれ」第19弾。戦前の日本で女性が男性に「キスして。。」とか迫るみたいな嘘くせぇ劇画展開もあるのでこれをリアル・・というのはちょっと違う気がする笑。しっかしスパイ養成学校がまさか「女の落とし方」まで教えていたとは知らなんだで爆笑。「いいかー!女の性感帯は耳とうなじと脇でだなぁ!」とか大真面目に教えている画が何だかマヌケでかわいらしい(もちろん作り手は大真面目)。これまでさっぱり魅力が分からなかった市川雷蔵がとってもいいと思った。あとヒロインかわいい。結婚して
KR

KRの感想・評価

4.0
市川雷蔵は、感情を抑制するような役が
よく似合う。
そんな彼にスパイ役はぴったりだ。

市川は元からプロっぽく、
逡巡したり葛藤しないので話が早くて良い。
または、この時代と
この学校の集団心理だろうか。

学校は、トラブルが起きる度、
結束を固め、決意を新たにしていく。

草薙役・加東大介の演技も良い。
芸者遊びでふいに見せた
おかしな踊りまで見事。
丸っこい身体つきながら精悍。

中野学校の跡地に、
今では明大やら早大やらのキャンパスが
あることは感慨深い。

その後の椎名がどうなったのか、
続編4作も観てみたい。
「007/ドクターノオ」が1962年。
恐らく、この007シリーズの影響の元に本作が本作が製作されたのだろうが、圧倒的にこちらの方が面白い。
若干の違いこそあれ、「スパイ」としてのキャラクターや行動はショーン・コネリーも市川雷蔵もほぼ同じ。

人間の感情を必要としない極限の「職場」においての有り様はまったく同じだが、非情さは本作の方が際立っている。

個人としての理想や思想を持ったエリートたちが、その中で個人としての考えを持つことにより脱落し、即ち死んでいく。
それも挙句は粛清されていく中で、市川雷蔵はとにかく「無」のまま。
表情を見せるのは、あくまで職務の中で別人になりすましたときだけ。

これはある意味で「俳優」ということのメタ性なのかもしれない。
ある種の殺人マシーンと化していく雷蔵に対して恩師となる加東大介の人間味というのが深読みすれば逆に怖い。
人間味故に、殺人マシーンを育成する手段として演じているのかもしれない。

大きな話は起きないが、何の罪もないものに対しても何も思わない、そんな不気味なリアリティのある作品。
50年前のスパイ映画が面白いわけない!

と思ってたわけじゃないけど、こ、こ、これは面白い…

後半は結構スリリング?な展開なのに、音楽やカメラワークに頼ることなく、また秘密兵器もスーパーカーも出ない。どこまでも淡々としているし、スパイとしての苦悩にもがき苦しむ描写はないものの、苦悩が十分伝わってくる

いくら会社員だと主張してもホステスが「軍人でしょ、その体格」と見破ってるとこ笑った
市川雷蔵の百面相的魅力がようやく癖になってきた。
本作では、一切の私情に背を向けた表情と訥々としたナレーションも魅力。
表の顔は英国流テイラー、キングスマンかいな。
雷様は公開時35歳。

二階堂ふみをアップグレードしたような小川真由美のハイレベルな美しさとこの頃から渋いおばさんボイスが魅力的。
可憐なファッションも見どころ。
公開時27歳。

スパイ教育は初めてだという"まごころ"を信条と嘯き熱弁を振るう加東大介の声は聞いていて気持ち良い。

岡田真澄の兄ちゃん、E・H・エリックが英国領事館のターゲット。
演技はど素人。

増村保造作品らしからぬ抑えたトーン。
訓練のバリエーションと思わぬ展開に静かに感嘆。

続編の監督は増村保造に非ず、残念。
市川雷蔵、増村保造を初鑑賞。
なるほどなって感じです。日本式ノワール。

ずいぶん前に読んだジョーカー・ゲームみたくスタイリッシュな話かと思ったら違って、「私は如何にしてスパイになったか」みたいな話でした。
まあ、それでも別にいいんですが、ああいう草薙中佐に感銘を受けて、それまでの自身を捨てたり、同輩を殺したりできるあの感じは、なんだかなあって思いました。
まして、天涯孤独というのならまだしも、彼らは家族も恋人もいた身な訳ですから、スパイという人生を選ぶだけの大義、思想、あるいは中佐自身のカリスマ性というあたりに、もっと説得力が欲しかったです。

終盤の、卒業試験のあたりは面白かったし、主人公とその婚約者の行き着くラストは、やるせなくて良い感じなので、全然つまらないということはないですし、見ごたえはあります。
が、完璧かと問われれば、個人的には、そうは言いにくいかなというのが、正直なところです。
ガバガバすぎて好きになれない。前田のイキリと中野陸軍学校の結束力と同調圧力の気持ち悪さは良かった。
otom

otomの感想・評価

3.7
朝飯時にやってたので久々の鑑賞。加東大介に選ばれた市川雷蔵他18人のエリート達が無理ゲーな訓練を経てスパイのスペシャリストに成長する、ある意味青春映画の傑作。この頃特に天使な婚約者役の小川真由美と市川雷蔵の終盤のやり取りは色んな意味で痛々しい。やっぱりOP•EDの曲は頂けないが名作。
小森

小森の感想・評価

-
日本製本格スパイ映画。しっかり秘密道具も出てきた。
面白いサスペンスドラマであると同時に、人が組織に組み込まれていく過程が丁寧に描かれてた。だからこそ終盤の展開はぞっとした。
初増村監督作品鑑賞なんだがストレートにテンポが良くて、格好良い上に危険なエロス漂う傑作。
軍人が訓練をするパートから実際に作戦を実行し、内通者の存在が明らかになって、究極の決断を迫られ、心を殺す事でスパイになる男の話。
この密度を90分代に納める技量が凄まじい!ひたすら感嘆。
シネスコの横長に広がる仏頂面の男達がプロの風格を漂わせるんだがその中でも市川雷蔵はより喋らない、表情がブレないにも関わらず存在感を発揮。
そしてその無表情が揺らぐシーンは軒並み精度が高い!オペラの場面とか上質なサスペンスにうっとり。
服毒して余命幾ばくもない女の悶える姿が妙にエロかったりアブノーマルな魅力も満点。
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