てつこてつ

キャント・バイ・ミー・ラブのてつこてつのレビュー・感想・評価

4.0
80年代後半は「フェリスはある朝突然に」「ブレイクファスト・クラブ」「セント・エルモス・ファイアー」といった優れた青春映画が次々と作られた時代だが、これもそのひとつ。

アリゾナの高校を舞台に芝刈りでアルバイト代を稼ぐ冴えない少年が、片思いのチアリーダーをお金を使って一か月間だけ恋人のふりをしてもらうことで、何とか人気者グループに入ろうとする。その過程で、やがて理性を失い、真の友人をも失い、本当に大切なものは何かと気付いていく・・というストーリー。

とにかく主人公の少年を演じた、まだガリガリであった「グレイズ・アナトミー」のパトリック・デンプシーが上手い、上手い。また彼の恋人のふりをしている内に本当の彼の魅力に気付き次第に惹かれていくチアリーダーを演じたアマンダ・ピーターソンも輝いている(既に女優業は引退しているらしく残念)。

スポーツ選手といった人気者グループと、そうではないグループに分かれるというアメリカの高校の社会認識は、なかなか日本人には理解しずらいものがあるものの、この作品には、そういった部分を超越して、同世代の若者には共感できる、感動できる部分が多かった。

この映画のラストシーンは、あらゆる青春映画の中でも最高の幕切れ。
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